こんにちは、ぽんこつナースゆかです!
「他の人の爪切りなんてしたことないから怖い。」
「爪切り中、痛いといわれてしまった。」
と不安に感じたり、苦手意識をもっていませんか?
私も今ではあたりまえの様に、ご高齢者の爪切りをして回っていますが…
かつては指を切ってしまわないか、ビビりながら切っていました。
ここでは、「今さら聞きにくい…!」と感じている『爪切り』のポイントを、現場での実体験も踏まえてお伝えします。
爪切りの手順
一般的な手順
まずは看護roo!さんの一般的な手順のリンクを載せさせていただきます。
動画付きでイメージがわきやすいと思います。
臥床患者さんへの爪切り | 動画でわかる看護技術 | 看護roo![カンゴルー] (kango-roo.com)
アレンジした手順
そして、以下実際の現場バージョンにアレンジ!
必要物品
(1)爪切り(カバー付き)
(2)爪やすり(金属製の薄く先が細くなっているもの)
(3)下に敷く新聞紙やチラシ
タイミング
爪や垢が柔らかくなるので、できるだけ入浴後に行いましょう。
実施手順
①対象者に爪を切ることを説明し、同意を得る。
②手の下に、新聞紙やチラシを敷く。
③利き手に爪切りを持ち、反対の手で切る指をしっかり固定。
爪のカーブに合わせて中心部、左右の爪先、左右の爪角を切る。
④爪を切り終えたら、爪の切り口を滑らかにするために爪やすりをかける。
⑤足の下に新聞紙やチラシを敷く。
⑥利き手に爪切りを持ち、反対の手で切る指をしっかり固定。
足の爪はスクエアオフ(まっすぐに切って、両端をわずかに切る)に切る。
⑦爪を切り終えたら、爪の切り口を滑らかにするために爪やすりをかける。
⑧敷き物を丸めて捨て、物品を消毒する。
物品について補足
①爪切りはカバー付きのものがオススメです。爪は本当に、1メートルくらい余裕で飛びます。布団や衣服にまぎれて刺さると痛いですよね。そもそも飛ばないようにカバー付きが断然オススメです。
②下に敷くものはティッシュより、新聞紙やチラシなど大きくて丈夫なものがオススメです。飛び散った爪の片付けが楽です。
③爪やすりは、画像のように金属製だと何回も消毒して清潔に使う事ができます。何より、爪の間に詰まった汚れをかき出しやすいのです。汚れを詰めただと、まず物理的に爪切りの刃が入らずとても切りにくいです。そして、臭いが発生してしまうだけでなく、感染症や巻き爪の悪化につながります。ただ爪を切るだけでなく、詰まった汚れも優しく取り除きましょう。
安全で痛みが出ない爪切りのポイント
一番怖いのは、間違えて指を切ってしまうこと!
ではないでしょうか?
安全に切る、細かいテクニックをお伝えしていきます。
肉と爪の間に隙間を開ける
〇指の肉を引き下げる
手足関係なく、すべての指に使う方法です。
利き手と反対の手で、指の肉をきゅっと下に引き下げます。
ただ刃をあてるだけだと、指先の肉まで切ってしまう危険があります。
肉を引き下げ、目視でも刃に肉をはさみ込んでいないか確認しましょう。
〇食い込んでいる場合はヤスリ等を差し込んで、少し浮かせる。
爪は放っておくと巻いて生えてくるそうです。
肉を引き下げるだけだと、隙間が空かない場合もあります。
痛みのない範囲で爪を浮かせて、爪切りの刃が入る余裕を作りましょう。
爪切りの刃先はやや上を向ける
まず刃先を爪と肉の間に入れます。
次に、刃先をやや上に向けてからパチンと切ります。
指に対してまっすぐ並行だったり、刃先が下向きだと深爪してしまう事があります。
足の爪は生え際を抑えながら切る
肥厚・巻き爪・著しく伸びている・著しく乾燥している・多量の角質…
足の爪は手よりもトラブルを抱えている人が多くいます。
足の爪は様々な異常や爪床が小さいことから、力加減をまちがうとはがしてしまう危険があります。
左手で爪の生え際を抑えながら切ると、はがれや痛みを予防することができます。
爪を一気に切ろうとしない
トラブルのある爪を一度に切ろうとすると、割れてしまう原因となります。
安全のため、以下の様に切りましょう。
〇縦と横に順に切り込みを入れて、ブロック状に切る。
〇爪切りが入らないくらい著しい肥厚爪は、削るように少しずつ。
『自分の死を見つめる動物』バビルサを知っていますか?
先日、足の親指の爪が上から1回転して、自分に突き刺さっている方がいました。さすがに看護師でどうにかできるものではなく、皮膚科で切除してきてもらいました。
当のバビルサですが、なんと、自分の牙が伸びすぎて、自分自身に刺さって死んでしまうという説があるのです。バビルサは、上の犬歯が上あごをつらぬいて生えてくるそうです。上あごの歯は下へ向かって生えるものですが、不思議な方向に生えていますね。
ご高齢の方の足の爪は、長年頑張って来た為、不思議な方向に変形している場合がよくあります。
まとめ
今回は、爪切りに不安を感じている方の為に、安全に切るポイントをお伝えしました。
※もし手技に不安がある場合は無理に切らない様にしましょう。※
正直に伝えて、できる人に代わってもらうか、皮膚科受診をすすめましょう。
以上、参考になりましたでしょうか?
対象者の方たちに、きれいな手足で心地よく過ごしてもらいたいですね!
毎日がんばっている方のヒントになれたら嬉しいです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!